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自分らしいキャリアのヒントはジャングルジム? 富塚訓子さんが語る“今の私を創った考え方”

新卒で入社して15年、2児の母として子供を育てながら仕事もこなす株式会社リンクアンドモチベーションの富塚訓子さん。ライフイベントを経験し、キャリアを積み上げてきた富塚氏が語る、女性が「自分らしく生きる」ために大切な考えとは?

通勤距離80kmは“思考整理”の時間

千葉の九十九里から電車で1時間。銀座にある“GINZA SIX”のオフィスに到着するまで、電車に乗り込んで、頭の整理から仕事の整理まで様々なことを整える時間に使っています。

緑が多い場所から1時間もしないうちに大都会に。風景が変わるのと同じくらいのタイミングで頭の中の“仕事スイッチ”もONになります。

家からオフィスまでの距離が離れている方もいると思いますが、私は電車の時間を最大活用することで、出社をするまでに今日、今週、今月のやるべきことを明確にしています。一見大変そうに見えますが、この思考整理の時間があることは、私の強みになっていると感じています。

ジャングルジムで見つけたもの

今でこそ一定のルーティーンの中でバタバタとしながらも充実した毎日を送っていますが、子育てが始まった当時は葛藤ばかりでした。それまで当たり前だった“自分の時間”は0になり、産まれた子供を愛おしく思うほど仕事に120%の情熱を傾けていた生活とはまるで違う生活になっていきました。

そんな時、大きな教訓を与えてくれたのが、Facebook社COO(最高執行責任社)のシェリル・サンドバーグ氏の著書『LEAN・IN(リーン・イン)』。

特に女性はライフスタイルの変化に合わせて、働き方や時間に制限ができることで、キャリアアップのスピードがスローテンポになったりします。もしキャリアは“ハシゴ”だとしたら、子供を授かった時点で私はハシゴを降りる側の人。しかしキャリアが“ジャングルジム”であれば、ひとそれぞれのルートを見つけて、自分にとっての“てっぺん”を目指せるという考えを授けてくれました。

振り回されないために、自分の人生を見つけること

弊社の出資先であり、女性の活躍支援を行っている株式会社リブの松本社長から教えて頂いたのですが、女性は男性に比べると“ライフスタイルの変数”が多いことが特徴です。

結婚はする?しない?

子供は産む?産まない?産むとしたら何人?

など、キャリアを積み上げるうえで考えなければいけない変数が非常に多くあります。

自分にとっての完璧なロールモデルを見つけることに躍起になっている女性が多くいますが、私は社内でも常に「ロールモデル探しをするな」と伝えています。「自分にとって完璧なロールモデルなどいるはずがないのだから、人の良いとこどりをしてパッチワークをしなさい」と。

もちろんまだまだ将来への不安が大きいのが現状です。大学生でも仕事に就いたことはないけれど、出産を意識した仕事選びをしたり、社会人でもお付き合いをしている人はいないけれど、結婚のことを考えたり、出産の後のことを考えたり。女性を取り巻く“変数”への不安がなくなることはないと考えています。

だからこそ、自分はどう生きていきたいのか、どういう人生を歩みたいのかという自己選択の意識をもつことが大切です。自分の選択に覚悟と責任を持ち、それを正解にしていく。選んだ時点では、良い選択かはわからないからこそ、選んだものを良いものだと思えるようにしていくことが大事かなと思っています。

原点は“日本を元気に”

私には7歳と10歳になる2人の子供がいますが、“働くことは素晴らしいこと”だと私の背中で見せ続けていきたいです。そして彼女たちが大人になって就職をする時に希望を持って進路を選んでいけるようにしたいですね。

新卒から今まで一通りの仕事を経験してきて、自分の足跡を社内で築いてきたと思っています。今の私をみて、後輩たちが「ライフイベントがあっても、自分のキャリアを選んで働ける会社だ」と思ってくれたら嬉しいですし、これから年齢を重ねても「こういう道があるんだよ」という選択肢を一つずつ増やしていきたいですね。

子供たちを元気にするなら、まずは大人たちが元気であること。大人たちを元気にすれば日本が元気になる。これは私が就職活動の時に今の会社を選んだ理由です。情報が増えた分、働き方や生き方も多様化した今だからこそ、選択した人生を自分自身で正解にしていくことが求められているのではないでしょうか。