キャリアアドバイザーが教える、出産後も仕事を続けたい女性のための〝活躍できる転職先選び〟
子育てしながら仕事でも活躍するには、環境の整った企業選びが重要なポイントの一つです。転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめ、さまざまな人材サービスを手がけるパーソルキャリア株式会社。キャリアアドバイザーとして、さらに同社の面接官としての経験もある今井さんに、子育て中の女性や、出産後も仕事を続けたい女性に向けて、転職先の選び方を伺いました。
今井裕子
パーソルキャリア株式会社
「子育て中も」活躍しやすい業界・業種
ひと昔前と比較すると、子育て中で働き方に制限のある方でも、正社員や契約社員での転職成功事例が増えてきました。
子育て関連や家事代行などのビジネスがこれから増えることが予想されており、そういった分野においては、出産・育児の経験がビジネスに活かせるともいえます。
就労人口が年々減少している日本においては、シニア・女性・外国人労働者の活用が必要不可欠です。主婦をターゲットにした派遣ビジネスなども増えてきていますので、子育て中の女性の再就職の門戸は、今後どんどん広がると思います。
子育て中女性の転職に必要なスキル
『<このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む>転職の思考法(北野唯我/著)』でも述べられていますが、子育て中の女性が再就職または転職したいと思ったら、前提としてエンプロイアビリティ※を高めておくことが大切です。
※〝エンプロイアビリティ〟とは雇用されるに値する能力のことを指し、継続して雇用されるための能力も含む概念です。
もちろん子育て中でなくとも、エンプロイアビリティを高め、自分の経験やスキルを客観的に整理して、転職先で能力を発揮できるか・貢献できるかを言語化しておくことは、転職活動においてとても大切です。
さらに、子育て中の女性が転職活動をする場合は
- 保育園などの預け先を決めておく
- 夫や両親などのサポート体制を作っておく(保育園の送り迎えや体調不良時の対応など)
- 何時まで働けるのか、ご家族のサポート体制をどのように企業に伝えるか、など、詳細な部分まで説明できるように準備しておくこと
が大切です。
転職活動で意識すべきは条件よりも即戦力性
「残業なし」「時短勤務可能」「自宅から通勤○分以内」などにこだわりすぎると、これまでの自分のキャリアやスキルを見失ってしまい、転職成功に至らない場合があります。企業が求めているのは即戦力性です。経験やスキルが活かせる分野の仕事を前提に転職先を選択し、そのうえで働き方などの交渉をする、という考え方をもつと転職成功に近づくことができます。
また、人生100年時代を迎え、今後は定年退職の年齢もより引き上がることが予想されます。これから長い期間でキャリアを構築するととらえるなら、現時点での雇用形態へのこだわりよりも、経験やスキルが身につくか、という観点で仕事を探すこともおすすめです。
求人情報では働く環境や条件面ばかりが目につくと思いますが、それだけで応募先を決めず、これまでの経験(できること)とやりたいこと(挑戦)にも目を向けて転職活動をしたほうがいいでしょう。
子育てが一段落するタイミングから正社員(フルタイム)として充実した仕事が行えるように経験値を積んでおく、という考え方もと思います。
転職先の選定に関していえば、大手だから安心、とは一概にいえません。たとえば、弊社の取引先に、10人の社員が全員女性という企業があります。結婚したり子供がいたりする人が多いのですが、女性ばかりなので立場や気持ちを理解し合い、とてもフレキシブルな働き方ができることを売りにしていらっしゃいます。働きやすさや長く働くことを考えるなら、視野を広くして探してみてはいかがでしょうか。
次では、出産後の女性が本当は面接で聞きたい”あの”質問の上手な聞き方をご紹介していきます。