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株式会社カヤックLiving代表の松原佳代氏が語る「固定概念を打ち壊し、自分らしく人生を歩む方法とは」

株式会社カヤックLivingと株式会社ハモニアの経営をおこなう松原佳代さんは、現在2児の母。会社の中で最も責任が伴う社長という役割を全うしながら彼女がどのように仕事と家庭を両立してきたのか、どのような考え方を大切にしてきたのかを紐解いていきます。

私が仕事と子育てをするために大切にしている2つのこと

私は出産を経験するまで、多くの時間を仕事にかけてきました。そんな私も子供が生まれてからは、限られた時間の中での家事・育児にふりまわされる日々。その中で学んだことは、意図的にコミュニケーションする時間を設けることの重要性です。

多くのお母さんが知っているように、パートナーとの協力関係は特に重要です。パートナーは私の働き方や、仕事に対しての熱意を知ってくれていますし、子育てをしながらも仕事を両立させたいという想いを理解してくれています。

結婚する際に、人生においてどのくらい仕事に熱量を注ぎたいのか、子供が生まれたらどのように両立させていきたいのかを共有しました。私は「可能な限り毎日夕食は一緒に」と考えていて、結婚したときから夕飯は家でつくり共にしていました。これは子どもが生まれた今も続いています。もちろん全ての日が可能なわけではありません。しかし、こうしたルールを設けることで、一緒にご飯を食べる機会が増え、コミュニケーションは日常的になります。仕事の話や、子育てにおける様々な感情を共有ですることで、お互いがサポートし合おうという気持ちが生まれているように思います。

また「自分の中でルールを作ること」も重要です。例えば、私は毎日17時に帰ると決めています。暮らしている環境が異なるのでみんなが定時で働くのは難しく、それぞれのスタイルで成果に繋がるように働くことが大事だと思っています。そう捉えると、一度帰宅して、一緒にご飯を食べ、子どもが寝た後に仕事をする。そうすればママであっても、しっかりと仕事をする時間って確保できるんです。こうしたルール作りをおこない、そして周りにも伝えることで、子育てと仕事を両立しています。

自分のために、会社経営と子育てを発信する空間を作る

私は、独立したタイミングで、子育てや経営に関して発信する空間を作ろうと考えました。そこで当時、言葉でのコミュニケーションツールとして話題だった「Medium」を使って発信をはじめました。仕事の話も子育ての話も分け隔てることなくひとつの空間で発信しているのは、どちらも私の今だからです。

広報やPRの仕事をする中で,相手に何かを伝えてコミュニケーションしたいときには、まず自分から発信する事が大切だと思っていました。そのため仕事や育児の考え方、自分のルールを隠さず発信しています。結果、周りの人の共感を得られたり、協力が得られる事もあるように感じます。

また、言葉にすることで自分の考えを整理できます。子育てにおける自分自身の感情や、仕事における理想はもやもやとした形のないものです。それを表現することで自分が本当に望んでいるものを明らかにする良い時間になっているのです。

母になった新しい挑戦への“前傾姿勢”

私は、経験したことがないことは挑戦したいと考えています。実は、2017年にカヤックLivingの代表のオファーが来た際に、引き受けるかどうか少し悩みました。下の子は0歳で、上の子もまだ3歳。2人の子供を育てながら、ハモニアとカヤックLivingの代表を兼任できるのか考えました。その時に、夫が「一度経験してみないとわからないし、やったことがないならやったらいいんじゃない」とアドバイスをくれました。もともと私もどちらかというと好奇心は強いほうで、挑戦してみる性格だったので、夫の一声が後押ししてカヤックLivingの代表を引き受けることにしました。

お母さんになった人の中にはせっかくの産休・育休の間で「やってみよう」と思っていたことがあるのではないでしょうか。子育てが始まると思った以上に大変で思い通りにならないことも多々あります。

それでも私は「やってみたいこと」に素直にまず取り組んでみることが大事だと思います。そしてその挑戦は、資格の勉強でも、語学の習得でも、趣味をつくることでもなんでも良いと思います。物事に対して、”できない”理由を探すことは簡単ですが、見えない壁を自分のなかで勝手に作っていることも多かったりします。私も30代の時に家族はこうあるべき、お母さんはこうあるべきという社会と自分自身の固定概念と戦ってきました。これらの固定概念を鵜呑みにすると、子育てと仕事の両立はどんどん非現実的なことになっていきます。いかに客観的に自分を見つめ直し、自分はどうしたいのかを元に、自分の制限を取っ払っていくかが重要ではないでしょうか。

人によってパートナーの状況も、子供の状況も、仕事の状況も違います。誰一人として同じ家庭状況の人はいません。自分の人生だからこそ、自分らしく作っていけばいいと思います。子育てにおいても仕事においても、自分でルールを作ることや、自分で取捨選択をすることを楽しんでいけばいいのではないかと考えています。