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生田目 洋子さん|ライフステージの変化をしなやかに乗り越えてキャリアアップ。ママ管理職になるきっかけとは?

幅広いICTプラットフォームを提供しているNECプラットフォームズ株式会社(以下、NECプラットフォームズ)で活躍している生田目 洋子さん。2回の産休育休を経て今年の春、管理職として遠隔監視を実現するコルソスという通報製品の販売推進を担当されています。キャリアと育児、さらに介護まで両立される生田目さんにしなやかに働く秘訣についてお話を伺いました。

この記事に登場する人

生田目 洋子(なまため ようこ)さん(写真右)
NECプラットフォームズ株式会社 パブリック事業部門 パブリックプロダクツ統括部 通報製品開発グループ プロフェッショナル
2007年入社。開発部門にてハードウェア設計に従事し、2024年度から通報製品の販売推進を担当。2016年8月〜2018年3月、2019年9月〜2021年3月と2回の産休育休を経て、2人の育児と介護をしながら2024年4月管理職に登用。2023年からスタートした管理職一歩手前の女性主任向け教育Session-W研修(以下、Session-W)の1期生。この研修を期に自身のキャリアと意識的に向きあう。

藤井 貴美子(ふじい きみこ)さん(写真中央)
経営企画部 カルチャー変革室長
生田目さんのSession-W受講時のメンターとしてサポートをする。自身も、ロールモデルがいない中でキャリアアップを叶えている。

田内 恵美(たうち えみ)さん(写真左)
経営企画部 カルチャー変革室 主任
Session-W研修の企画・運営を担当。自身の能力を十分に発揮し、成長意欲を高め自信を深めてもらう機会となるように、さらに研修を通じて他部署の女性社員同士のつながりを広げていけるよう試行錯誤中。

山中 泰子(やまなか やすこ) インタビュアー
株式会社QOOLキャリア 代表取締役社長
大学卒業後、ピラティスのインストラクターとして活動。結婚を機に大手IT系人材サービス企業に入社。人事部にて採用・育成・制度設計などに従事。自治体と組んでひとり親家庭の就業支援事業を立ち上げ、保育施設を併設した就業施設の開設・運営に携わる。その後、上場会社の人事担当執行役員、スタートアップ企業の人事責任者を経て、2022年4月からQOOLキャリアで、代表に就任。1児の母である自らの経験も活かし、キャリアアドバイザーとして仕事と育児の両立に悩む女性のキャリア支援も行う。

2人目育休復帰から約2年、管理職へのキャリアアップはまだまだ先だと思っていた

――2022年に「えるぼし認定」、2023年には「プラチナくるみん」を取得されて、女性の活躍に向けて積極的に取り組まれていると伺いました。具体的な内容を教えてください。

参考記事:女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」https://shokuba.mhlw.go.jp/published/special_02.htm
参考記事:子育てサポート認定企業「くるみん・プラチナくるみん・トライくるみん認定、プラス認定」とは
https://shokuba.mhlw.go.jp/published/special_01.htm

生田目さん(以下、敬称略)
2023年から開始された、管理職一歩手前の女性主任向け教育(Session-W)に参加しました。半年間、マネジメントとリーダーシップについて学び、メンターや職場上司から支援を受けながら実践する機会も得ました 。

実は、上司から推薦された時は、育児と介護の真っ只中で、自分のキャリアを考える余裕がありませんでした。2021年に2人目の産休育休から復帰して目の前の仕事で精一杯でしたし、続けられるか自信がありませんでした。でも、キャリアについては一旦置いておいて、「やれるものはやってみよう」と参加をしてみることにしました。

田内さん(以下、敬称略)
プログラムへの参加者は事業部からの推薦で決まります。今後、管理職としての活躍が期待される女性社員が参加しています。

生田目は第1期生で、全部で13名が参加しました。今年度は15名が参加します。1回の研修は、半日から1日。参加者1名につき管理職1人がメンターとしてサポートしています。

山中
メンターは管理職おひとりが複数の参加者を担当するんですか?

田内
受講者1人に対して管理職に対する心理的・経験的支援を行う役割としてメンター1名が担当しています。メンターのサポートをより活かしてもらえるように、なるべく職種が近い人や育児をしているなど境遇が似た方の組み合わせになるよう考えています。
全社の女性従業員比率が約17%と少ない状況や、研修終了後職場に戻ると女性の管理職がいなかったり、職場のグループメンバーの中で女性が1人2人ということもありますので、研修やメンターを通して横のつながりを増やしてもらえたらとても嬉しいですね。

メンターの存在が管理職へのキャリアを意識するきっかけに

――生田目さんが影響を受けたメンターの方についてお聞かせいただけますか?

生田目 藤井から、仕事に対するポジティブなマインドや、挑戦を恐れない姿勢を学びました。

藤井さん(以下、敬称略)
昨年度のメンター選出基準は、高い視座や経験のアドバイスができるよう部長職以上でダイバーシティや女性活躍の理解がある人という条件でした。去年まで私は開発事業の部署にいたのですが、その部署唯一の女性部長だったので手を挙げました。ただ、部長職以上は多忙で一部でメンターとしての支援が行き届かなかった反省もあり、今年はより心理的な支援の役割を強化したいとの想いで、1~3年目の女性の管理職にメンターになっていただきました。

山中 メンターの条件もあって取り組みの手厚さが伺えます。よきロールモデルが近くにいらっしゃいましたね。女性部長は今何名いらっしゃるんですか?

生田目 今は8名くらいで、技術職の女性部長はすごく少ないんです。月に1回の1on1でプライベートも含めて困っていることを相談できました。

山中 キャリアアドバイザーとして他社の社員さんからお話を聞くことが多いのですが、1on1では、比較的業務の進捗や、半期の目標に対して振り返ることが多いと聞きます。御社では、そういったこととは切り離して1on1をされているんですか?

藤井 フォーマルな1on1とカジュアルな1on1を実施しています。フォーマルは半期に1回仕事に関して進捗や、自身の達成度を話してもらいますが、それとは別に月に1回の1on1を通して、最近の状況だったり、働き方など、業務以外の話をすることも多いですね。会社のガイドラインはベースとしてありますが、それぞれの方法で自由にコミュニケーションを取っています。

生田目 Session-Wの座学で「管理職って何ですか?」というそもそもの役割から学び始めて、藤井を通して多様な視点への理解が深まり、キャリアと意識的に向き合うようになりました。

田内 Session-Wのキャリア研修では、ウェルビーイングについて外部の講師にお話しいただいています。キャリア形成というと、この時期にこんな準備をしてという方法論になりがちだと思うのですが、そうではなくて 幸せに働くにはどうするかという観点からお話してくださったので、参加者に好評でした。

山中 女性特有のマインドセットから、視座を高めるきっかけになる素晴らしいプログラムですね。

生田目 「変化に強い組織になるためには多様な視点が必要であること」を学び、組織体制の変化を体感したことで、今の自分の状況でもキャリアアップを考えて良いのだと思えるようになりました。藤井がメンターとしてついてくれていたことも心強かったです。またSession-W終了後も上司だったのが女性管理職で、うまく進まずに落ち込んだ時には泣きながら相談をしたこともありました。いつも寄り添って話を聞いてくれるので、とても話しやすいです。

1人目の産休育休復帰後は仕事を離れることも考えた

――産休育休から復帰した時の働き方を教えてください。

生田目 1人目の時は、時短にはなりましたが、産休育休前と変わらない働き方でした。当時は必ず出社していたので、通勤時間が100分と長く大変でした。同時に親の通院に介助が必要な状況となってきて、付き添いの度に休暇を取っていたので、周囲へのしわ寄せも感じていました。半日や時間単位で有休を取れましたが、ギリギリの状態でしたね。ワークライフバランスが崩れて限界がきたら仕事は辞めるしかない、と思っていた時期もあります。周りのサポートがなかったら続けていられなかったと思います。

山中 2018年だと、当時は出社が当たり前で子育ての両立は難しかったですね。子育てだけでなく介護ともなると、仕事を諦めたくもなりますよね。つらくなった時はどうされていたんですか?

生田目 仕事とは関係ない友人にプライベートの話を聞いてもらっていました。

2人目の時には、コロナ渦ということもあったので、スマートワークが推進されてテレワーク主体の働き方に変化しました。コアタイムがなく5時から22時までいつでも働けるスーパーフレックス制度で、朝5時からの勤務も可能となりました。制度があるだけではなく、職場にその制度を使える雰囲気があることで両立に挑戦できるようになりました。

仕事時間を朝方にシフトして集中できる時間を確保し、作業効率を上げています。夕方以降はできるだけ家のことに使える時間として確保しています。昼休みの前後に中抜けをとって親の通院に付き添うなど、ワークライフバランスを考えながら一日の計画を立てるようにしました。夫は朝から晩まで不在なことが多いですが、夜に残った家事は夫に全て任せ、私はなるべく子供と一緒に早く寝ることを心がけています。休日がずれることが多いので、休みには 育児担当になってもらっています。最近は子供達がお風呂掃除をしてくれるようになり、助かっています。

日々の生活の中で大変なことはあるものの、ワークライフバランスを保った働き方ができている

――スーパーフレックス制度を活用する中で工夫していることはありますか?

生田目 定例ミーティングや毎日のチャット、電話等で密にコミュニケーションをとるように意識しています。たとえば、今プライベートがこういう状態だから、今週はいつもより長めにお昼休憩を取っていますということも前もって伝えています。また、皆がスケジュールを共有できるよう細かく予定表に入力することを徹底しています。全社的にも働き方改革が進んでいて、全員で働き方について考えています。

あとは日々、1日の時間の使い方を考えて、ちょっと難しいかと思っても、まずはやってみるようにしています。だめだったら、そのときにやり方を見直しながら、両立に挑戦中です。平日とのメリハリをつけて、休日は家事に集中したり思い切り遊ぶようにしています。

山中 確かに行動を起こさない限り何も進んでいきませんよね。全社的に働き方改革が進んでいることも後押しになっているのでしょうか? 御社では「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」を推進されていると拝見しました。社会全体としては「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」が注目されていますが、御社の場合は、インクルージョンをベースにして、そこからダイバーシティにつなげていくというこだわりを感じました。特にインクルージョンを強調するようになった背景や理由について教えていただけますか?

“インクルージョンとは、多様な人材が互いに尊重され、それぞれが能力を発揮できている状態を示します。”
“ダイバーシティとは、直訳で「多様性」を意味する言葉で、さまざまな個人の属性の違いが受け入れられている状態を示します。”
引用:インクルージョンとは?ダイバーシティとの違いや施策事例を解説
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20220722_inclusion.html

田内 NECグループでは、まずはそれぞれの能力が発揮できる状態を整えるインクルージョンがあって初めて、多様な人材が活きてくるとの想いから、インクルージョンをダイバーシティの前に置き「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」と表現しています。女性のキャリア形成も働き方も両輪でI&Dが進んでいくのでどちらも叶えられるような支援を続けています。
女性だけでなく、男性の育休取得も促進しており、2023年度には男性の育休取得率は50%でした。さらに、男性の育休取得者のうち約40%が3ヶ月以上の育休を取っており、その数字には驚いています。

家族にも使える会社の制度が家庭と仕事の両立への挑戦を後押し

――他に生田目さんの、働き方をサポートしている制度がありましたら教えてください。

生田目 ファミリーフレンドリー休暇を活用しています。これは、有給とは別に年間で5日間取得できる制度で、家族や自身のケアが必要なときに利用できます。子どもの病院への付き添いや親の通院サポート、自分の治療などに使っていて、大変助かっています。

藤井 他にも、保護者会に参加したり、ボランティアに行くケースもあります。

田内 自身の自己研鑽や、育児、介護にも使えますし、最大20日までためられるのが特長ですね。

生田目 他にも、カフェテリアプランといって、毎年付与されるポイントの範囲内で自由に選択・利用することができる福利厚生制度も使っています。育児中の社員には育児関連メニューに使える「育児ポイント」が加算され、習い事や育児サービスに利用しています。さらに家族の介護にも使える「介護ポイント」もありますので、介護用品の購入にも利用中です。

ワーキングチェアやディスプレイ購入にポイントを使って、自分のテレワーク環境をいかに快適にするか投資している社員もいます。

藤井 レジャーにも使われたり。自己研鑽でも本を買うという人もいますね。本だとポイント還元率が倍なんですよ。

山中 今後も社員の方に寄り添った研修プログラムや制度を充実させていくのかと思いますが、これから予定されているものはありますか?

田内 事務局で企画中です。Session-W参加者のメンターを卒業生が担ったり、毎年I&D座談会を開催していますが、そこに参加した女性を巻き込んでSession-Wのメンターになってもらうなど、様々な女性が交流できる機会を作っていきたいです。

山中 福利厚生サービス「TUMUGU(ツムグ)」のセミナーを交流のきっかけにしてもらえたらとても嬉しいです。

変化を前向きに捉え、新たな一歩を踏み出してほしい

山中 介護も育児もされていて、なおかつ管理職というと、お疲れモードの方なのかと勝手にイメージしていましたが、こういった社風や風土がのびのびとしなやかな生田目さんのマインドを作ってらっしゃるのかと感じました。最後に家庭と仕事の両立で奮闘している読者へエールをお願いいたします。

生田目 自分のことを改めて考える時間も無いような毎日だと思いますが、今後のキャリアを考えるきっかけが近くにあるかもしれません。私の場合は、働き方の変化と、 Session-Wという社内研修への参加でした。きっかけを見つけたとき、無理かもしれないと不安になるかもしれませんが、まずは前向きに捉えて進んでいってほしいなと思います。

自分らしいキャリアが叶うのは、努力惜しまない姿勢があるから

キャリアか家庭かのどちらかで考えるのではなく、自分らしいキャリアを実現させるためにご自身で決断し、実行されてきた強い力を感じます。一人のビジネスパーソンとして成長の機会があり、一人ひとりの実力や成果が評価されること、個性が尊重され、様々な考え方や価値観を受容される企業風土も後押しとなりNECプラットフォームズでしなやかに働けている様子が伺えました。

NECプラットフォームズ株式会社のご紹介

NECプラットフォームズ株式会社は、NECグループの中核会社としてICTシステム機器の開発、製造、販売、設置、保守およびシステムソリューションの提供まで幅広い事業を展開しています。
衛星通信システムや光海底ケーブルシステムなどNECグループの社会ソリューション事業にも携わり、やりがいや充実感がある職場です。社員が幸せになる会社を目指し、誰もが活用できる福利厚生制度により働きやすい環境も特徴です。詳しくは会社HPをご覧ください。
会社HPはこちら: https://www.necplatforms.co.jp/

社員の働きがいをアップデートする福利厚生サービス「TUMUGU(ツムグ)」

QOOLキャリアは、女性のキャリアに留まらず全ての人がワーク・ライフ・シナジーを追求できる社会の実現を目指し活動しています。

働きがいをアップデートする福利厚生サービス「TUMUGU(ツムグ)」では、専門家へのLINE相談、ヘルスリテラシー向上セミナーを提供しています。

TUMUGUのサービスサイトはこちら:https://tumugu-service.jp/
お問い合わせはこちら:https://career.qo-ol.jp/tumugu/