漢方の考えで花粉症を乗り切ろう! おすすめ薬膳レシピを紹介
今年もつらい花粉の季節がやってきました。日本人の4人に1人が花粉症といわれるくらい、多くの方のお悩みになっています。実は漢方でも対策や改善ができると話すのは、日々名もなき不調に悩む多くの方たちの相談に乗っている「わたし漢方」のさっち先生。漢方医学の観点からみた花粉症についてお話をうかがいました。
今年の花粉は?
今年の1月は例年よりも気温が高く、2月の初めには3月上旬の陽気になった日もあり、スギ花粉の飛散開始日の予測が過去の平均と比べても1週間前後ほど早まっているようです。
花粉症はどうして起こるの?
花粉症は、スギやヒノキに代表される植物の花粉が原因となるアレルギーで、以下のような症状が特徴です。
★鼻のお悩み…くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻のむずむず感
★目のお悩み…痒み・涙・充血
★喉のお悩み…痛み・痒み・咳・痰
★その他…皮膚の痒み・頭重感・熱っぽさ など
原因となる花粉が飛ぶ時期だけ症状が出る季節的なお悩みで、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛などが原因となる通年性のアレルギー症状とは区別されています。
私たちの体の免疫は、花粉を異物と認識すると、ヒスタミンなどの化学物質を分泌し、花粉を体外に出そうと働きます。鼻水やくしゃみ、涙などを出し、入ってきた花粉を洗い流して、また、侵入を防御して体を守ろうとしています。
多くの方が「花粉症対策」と聞いてイメージするのは、マスクやメガネなどで体の中に入ってくる花粉をなるべく減らす対策、出てしまった症状に対して抗アレルギー薬やステロイド剤などを用い、症状を緩和する治療法だと思います。ほかにも、アレルギーの原因となる物質を少しずつ体に入れてアレルギーを起こしにくくする減感作療法が取り入れられることもありますね。
漢方医学ではこのような花粉症の諸症状の緩和だけではなく、花粉症の起きやすい体質そのものの改善を手助けすることも可能です。
漢方理論で考える花粉症対策
☆ 花粉症の症状を緩和したい
漢方では、花粉症を「寒」タイプと「熱」タイプにわけて考え、このタイプによっておすすめのアプローチが変わってきます。
★ 「寒」タイプ
・水っぽい透明な鼻水
・お風呂などで体が温まると楽になる鼻づまり
・くしゃみが出やすい
体の冷えや水分代謝の悪さが原因となって起こることが多く、比較的花粉症の初期に出やすいのが特徴。水分代謝の改善と冷えを取り除いてくれる効果のある漢方がおすすめです。
★ 「熱」タイプ
・ネバつきのある黄色い鼻水
・鼻水の出ない鼻づまり
・熱感を伴う目の痒みや充血
・皮膚や喉の炎症
体に溜まった余分な熱による炎症が原因となって起こることが多く、時間の経過や初期の花粉症が慢性化するとともに見られがちなのが特徴。炎症を冷ましてくれる漢方がおすすめです。
☆ 花粉症の出やすい体質を改善したい
花粉症の症状が強い季節は症状に合わせた漢⽅薬を選び、症状が落ち着いている季節は免疫を整えて体を丈夫にするための漢⽅薬を選ぶことで、症状の出にくい体をつくることができます。
普段から疲れや倦怠感がある方は、花粉などの外敵から体を守るバリア機能が低下してしまいがち。まず、睡眠や栄養がしっかりとれる体づくりを目指し、エネルギーを取り戻すことから始めます。
水分代謝が悪い方は、体に溜まった水分が冷えて、鼻水・涙目・鼻づまりなどが起こりやすいため、まずは水はけを改善し、体内の循環を促すことから始めます。
原因となる体の不調が違えば出やすい症状も違います。自分の体質や症状を見極め、花粉シーズン以外も活用してうまく漢方を使い分けていくことが大切です。
薬膳の考えをうまく取り入れて
「薬膳」と聞くとなんだか難しそうと思われがちですが、普段使っているような食材でも簡単に取り入れることができます。
刺激物や甘いもの、味の濃いもの、加工品、脂肪や動物性たんぱく質の取りすぎは血を汚す原因になるため、食べる量を調整するのがおすすめ。炎症や粘膜の充血の悪化につながるので和食・野菜中心の栄養バランスの取れた食生活を意識しましょう。
★ 寒タイプさんにおすすめ
長ねぎ、生姜、シナモン、紫蘇 など
★ 熱タイプさんにおすすめ
薄荷、菊花、緑茶、ドクダミ など
★ 気管支が弱い方におすすめ
はちみつ、銀杏、ゆり根、蓮根 など
おすすめ花粉症対策レシピ
ゆり根とかぶのクラムチャウダー
今が旬のゆり根とかぶを使ったクラムチャウダーはいかがでしょうか?
体も温まり、まだまだ寒さが続く今の時期にピッタリです。
材料 (2人分)
- あさり(殻付き) 200g
- 水 150 ml
- ゆりね 100g(中1個)
- かぶ 80g (中1個)
- かぶの葉 15g
- たまねぎ 50g (1/4個)
- にんじん 25g (1/4本)
- しめじ 20g
- バター 10g
- 小麦粉 10g
- 水 100ml
- 牛乳 200 ml
- 中華スープの素 小さじ1・1/2
- 塩 少々
- 胡椒 少々
作り方
- あさりは塩抜きをし、よくこすり洗いする。
- ゆり根は1片ずつ剥がす。かぶはくし切り、葉は小口切り、たまねぎは薄切り、にんじんはいちょう切りに。しめじはほぐしておく。
- 鍋にあさりと水を入れ火にかけ、口が開いたら取り出す。あさりはむき身にし、ゆで汁はこしておく。(煮汁はあとで使うので捨てずに!)
- 鍋にバターを溶かし、かぶの葉以外の野菜類を入れ炒める。しんなりしてきたら小麦粉を加えて、中火でさらに炒める。
- 小麦粉が全体になじんだら、あさり煮汁、中華スープの素、水を加え野菜に火が通るまで煮る。
- すべてに火が通ったら、牛乳、あさりのむき身、刻んだかぶの葉を加え、ひと煮立ちさせる。塩、胡椒で味を整えたら、器に盛りつけて完成です!
両方とも煮崩れしやすいので、煮込みすぎないようにすると見た目もGOOD。