働き方革命で広がるギグ・エコノミー、柔軟な働き方に合う人材とは
世界中で取引量が増えているギグ・エコノミー。2025年までにその市場は世界で37兆円に達するとも言われています。日本では、未発達の地域ですが、「クラウドソーシング」を手掛ける企業「(株)クラウドワークスなど」が台頭し、ギグ・エコノミーを実現する環境が整いつつあり、西欧諸国の波がやってくる日もそう遠くはないでしょう。今回は、ダイアン・マルケイ氏の著者「ギグ・エコノミー人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方」を紹介しながら、「ギグ・エコノミー」で輝ける人材の特徴を探っていきます。
目次
ギグ・エコノミーとは
インターネットを通じて「単発、または短期の仕事」を請負う働き方のことで、日本のスタンダードな働き方の終身雇用とは反対の働き方になります。
ギグ・エコノミーで有名なのは、UBER(ウーバー)です。UBERは、タクシーのような配車サービスでスマートフォンのアプリで車を手軽に呼ぶことができます。ドライバーは、認定制のドライバーで1回1回の送迎で賃金が払われるシステムです。そのため車もタクシーのような専用車ではなく、自家用車であることが多いのです。
UBERは法整備の遅れもあり、日本ではあまり普及していませんがアメリカではタクシー事業者が減少の一途を辿っているとも言われています。ドライバーは、送迎を必要としている人の情報を受け取り、「すきま時間」で働くことができます。単発で、かつ働く時間や場所に縛られず、好きな時間帯に、好きな場所で働くことができる仕事のことを「ギグ・エコノミー」といいます。
マルケイ氏は、同著で、「多くの人は、人生の目標が職(ジョブ)を見つけることになっている。でも、人生の目標は他にあり、その目標を達成する為の手段として仕事(ワーク)があるべき」と書いています。人生の過ごし方は、人それぞれです。誰とどう過ごしたいか、どんな生活スタイルをしたいか、本来仕事をしている理由があるはずです。何のために働いているのでしょうか。もちろん、その職(ジョブ)での成功を目標としている人もいると思います。
あなたは今、理想の働き方ができていますか?「ギグ・エコノミー」で理想の働き方が叶うのか、メリット、デメリットをみていきましょう。
※ギグ・エコノミーの「ギグ(gig)」は英語でライブハウスやクラブなどでの1度きりのセッション(演奏)のことから由来しています。
ギグ・エコノミーのメリットとは?
ギグ・エコノミーのメリットはなんでしょうか。
1つ目に、インターネット環境があればどこでも仕事ができるということです。
通勤の時間を過ごすことなく、自宅やカフェなど好きな場所、旅先でも働くことができます。もちろん、働く時間帯にも縛られません。休みの設定も自由にすることができます。夏休みを長期でとることや、平日にリフレッシュの時間を設けることが、誰の許可もなく自分の采配で行うことができます。
2つ目に、キャリアアップができます。
会社という枠に縛られないので、自由に仕事を選ぶ事ができます。今までの自分のスキルを更に磨けることはもちろん、新しい分野にも挑戦することができます。web、ソフトウェア関連の専門職は、既に外注している企業も多く、高度な業務だけでなく、マクロ作成、ロゴのデザインなど多岐にわたり、これから更に需要は高まると思われます。案件を自分で選ぶことができるので、得意分野のスキルを磨くことができます。
また、新しい分野に挑戦する例として、趣味で始めた韓国語を使って働きたい!と思っていても、中々転職するスキルまではと考えてしまうかもれません。でも、単発で請け負う仕事には、メールの翻訳をするだけなど、安価ではあるかもしれませんが、仕事をすることができます。重ねていくことで、着実にスキルアップができるでしょう。
ギグ・エコノミーのデメリットとは?
やはり、収入の不安定さがあげられます。決まった収入を得るためには、仕事量や報酬の細かな交渉や調整が不可欠になります。
また、教育制度はないため、自分自身のスキルと向き合い、自分自身で仕事を開拓する必要があります。
いずれにせよ営業やコミュニケーション力など本業外のこともうまく調整できなければいくらスキルがあってもより良い仕事を見つけるのは難しいでしょう。
「ギグ・エコノミー」で輝ける人材とは
マルケイ氏は同著の中で「自分なりの成功をイメージする」と書いており、またその成功とは、「方向性が定まり、バランスの取れた人生を送ること」とあります。
成功=収入の増大ではなく、自分らしい満足のできる人生が送れているかどうか。他人からの評価ではなく、自分自身が進むべき方向の軸を自分で決め、優先順位をハッキリとさせることが重要です。
また、自分自身で、営業(仕事の獲得、報酬の交渉)し、実質的な作業を行い、経理(報酬の管理)をしなくてはならないので、プレゼンテーション能力や、マネジメント能力が求められます。
しかしそれだけではなく、今の会社勤めの働き方ではなく、もっと自由に働きたい人や、今のままでは仕事を続けることができない人など自分でその領域や分野を探求し、仕事を含め生活の中で新しい価値を自分で創造していきたい人物こそギグ・エコノミーで輝ける人材と言えます。
様々な立場が求められる女性(妻として、母として、娘として、嫁として…)こそ、ギグ・エコノミーでさらに輝けるきっかけを掴めるかもしれませんね。