三輪詩織さん|働く母が社会で活躍するために必要なこと
パーソナルカラーとは、一人ひとりが持つ肌や瞳の色などに最も調和する色味のこと。服装や髪色、持ち物などに取り入れることで、その人の魅力を最大限に引き出すことができます。
創業わずか1年で、男女2,000人以上ものパーソナルカラー診断を手がけてきた企業「Style Works(スタイルワークス)」代表の三輪詩織さんにお話を伺いました。
二児の母であり、経営者でもある三輪詩織さんが語る、「働く母が社会で活躍するために必要なこと」とは。
三輪詩織
Style Works
経営者・三輪詩織が誕生するきっかけ
起業のきっかけを教えてください。
私が育った家庭環境ですね。自営業の家系に育ち、いつも通り暮らしていたある日、父の会社の経営が突然傾いてしまって。父は病んで働けなくなり、家計は苦しくなるばかりでした。
弟の学費をまかなうため、アルバイトに奮闘する毎日。ですが、大して稼ぐことはできませんでした。その悔しさは今でも忘れられません。
この時「もっと力をつけて、将来は自立した女になる」そう決意したのです。
産後のキャリア形成のポイント
経営者と子育ての毎日をどう乗り越えているのでしょうか。
転職、出産を経て、2017年にStyle Worksを設立しました。起業してからは、サロン業、メディア運営、イベント開催と忙しい日々を送っています。
家庭を持ちながら、限られた時間の中で成果を出すには「わがままに」×「半歩先を見て、人よりも考え、行動する」ことが大切です。
夫は、最初の子が生まれた当時、家事や育児を「え? それって奥さんがやるものだよね?」と真顔で言ってきた〝THE 亭主関白〟。
それでも、夫に仕事のことや自分の要求を根気強く伝え続けました。おかげで、今では家事や育児も進んでやってくれるようになったんですよ。
子供に対しても、常に前向き。保育園に預ける時に泣いている姿を見て、「ごめんね」と思うことはありつつも「ファイト!」と笑顔で送り出すようにしています。
子供が学びを得るのは、決して親と一緒にいる時だけではありません。だからこそ一緒にいるときは最大限の愛情を持って接するようにしています。
赤ちゃんのペースに全て合わせるのではなく「赤ちゃんは赤ちゃん、私は私」とメリハリをつけて行動しています。
そうはいっても、子供が病気で予定をキャンセルする、ということも珍しくありません。起こりうるトラブルをできる限り見越して、余裕を持ったスケジュールの作成と実施を意識しています。
絶対に外せない予定がある場合は、義母やシッターさんなど頼れる味方への事前のお願いも欠かせません。
働く母としてのロールモデルは自分
三輪さんの理想の姿を教えてください。
Style Worksでの仕事を通じて、二つの理想を実現させたいと思っています。
1つは、パーソナルカラーを通して服やコスメにまつわる「色選び」の悩みを解決すること。
いっときのブームではなく「似合うものを身につけたい」という願望を実現する方法を確立し、世の中の当たり前にしていきたいと思っています。
その仕掛けとして、パーソナルカラーに特化した国内初のメディア「COLOR ME」をリリースしました。
「COLOR ME」のように、既存の業界にIT・テクノロジーを組み合わせることで、さらに多くの人に価値を提供できるのではないかと考えています。Style Worksを、従来の概念にとらわれない新しいサービスを生み出す企業にしていきます。
2つ目に、子供がいても自分らしいキャリアを築けると証明することです。
育児をしながら、自分が理想とする「人に高く評価されるレベル」まで仕事をやり抜くには、人の何倍も努力しないといけません。
出産後のキャリア形成には「出産前から仕事で価値を生み、信用貯金を積むこと」が必要不可欠だと考えています。
信用貯金を積むには、常に置かれた環境で求められている以上の成果を出すこと。そして、会う人すべてに丁寧に接することを意識しています。
その努力が実り、実際に私が起業した時には、それまでの多くのご縁から仕事や人のご紹介をいただきました。私という商品が売れなければ、ご縁もつながらず、創業後すぐに動き出すことはできなかったと思っています。
創業1周年を迎え、私自身もここからが勝負です。働く母のロールモデルになるには、次の1年でStyle Worksと共に、さらに成長していきたいと思っています。
母親になったからといって、突然スーパーマンのような人格や体力が備わるわけではありません。疲れ切ってクタクタな日や泣きたくなる日もあります。
いつも完璧ではなくても、時にはわがままにパートナーや周囲に頼り、支え合いながら踏ん張ることが必要なのではないでしょうか。