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在宅勤務とは?メリット・デメリットと仕事の始め方を解説

従来は会社に出勤して仕事をするスタイルが一般的でしたが、通信設備の普及とともに、在宅勤務を導入する会社が増えています。在宅勤務は子育て中のママにとって最も適した働き方だといえるでしょう。しかし、具体的にどのようなメリットがあるのか、何からどう始めればいいかわからず、在宅勤務をすべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこでここでは、在宅勤務のメリット・デメリットを解説するとともに、在宅勤務の始め方や注意すべきポイントなどをまとめて紹介します。

在宅勤務とは?テレワークやリモートワークとの違い

「在宅勤務」と似たような言葉に「リモートワーク」や「テレワーク」があります。これらは似ているようで異なる意味を持つので、事前にきちんと把握しておきましょう

リモートワークと
は、「remote(遠隔・遠く)」と「work(働く)」の2つの言葉を組み合わせた造語で、オフィス外の場所で働くことを意味します。カフェやコワーキングスペースなど、働く場所を選ばないことが最大の特徴です。テレワークとは「tele(離れた場所)」と「work(働く)」の2つの言葉を組み合わせた造語で、リモートワークと同じく、オフィス外で仕事をする働き方を指します。リモートワークとテレワークの意味に大きな違いはありませんが、テレワークは情報通信技術(ICT)を活用して時間や場所を有効活用する柔軟な働き方であると国が定義しています。

在宅勤務
とは、リモートワークやテレワークに含まれる一つの働き方で、働く場所が自宅に限定される点が最大の特徴です。インターネット通信やパソコンなどを活用し会社と連絡を取り、自宅でさまざまな業務を行います。週の数日だけ出社する場合や完全に在宅勤務する場合など、さまざまな形で活用されています。

在宅勤務のメリット

子供がいるワーキングマザーにとって、在宅勤務をする最大のメリットは時間を有効活用できることでしょう。自宅で仕事ができれば、今まで通勤に使っていた時間を丸ごと削減できるため、子供が登園・登校する前の忙しい時間に余裕が生まれます。朝の時間にゆとりが持てるのは、子育て世代にとって大きなメリットです。子供をいつもよりも早くお迎えに行ったり、趣味を楽しむ時間や友人と過ごす時間を増やしたり、人生をより充実させることができます。通勤するために朝早く起きる必要もなくなるので、毎日睡眠時間をしっかり取って健康的な生活を送ることもできるでしょう。満員電車でストレスを抱えたり疲れたりこともないので、精神的にも体力的にも余裕が出ます。

また、
通勤がなくなることで住宅の選び方も変わります。自然の多い郊外で暮らす、保育園に近い場所に引っ越すというように、職場からの距離にとらわれず、子育て環境を重視した暮らし方ができるようになります。勤務地の制限がないため、配偶者の仕事の都合で転居することになった場合も、仕事を続けることは可能です。地方に暮らしている人が都心の会社に出社するのは、物理的な距離の問題で難しいですが、在宅勤務なら遠方の会社でも雇用してもらうことができます。

ライフステージに合わせた働き方ができるのも在宅勤務のメリットです。結婚や出産、育児などのライフステージの変化が訪れたときも、在宅勤務なら無理せず仕事を続けることができます。在宅勤務なら時間を自由に使えるため、子育てだけでなく家族の介護が必要となったときも、仕事をやめずに続けやすいといえるでしょう。

子供がまだ小さいうちは急に熱が出たり体調を崩したりして、保育園や幼稚園から呼び出しされることもあります。呼び出しされるたびに職場を抜け出していると、周りに迷惑がかかるだけでなく、自分にも精神的な負担がかかります。しかし、在宅勤務だと子どもの急病時にも柔軟に対応できるため、職場に対する申し訳ない気持ちや仕事へのプレッシャーが和らぎます。体調を崩した子供のもとにすぐに駆けつけてあげられるのも、在宅勤務ならではのメリットだといえるでしょう。自宅では子供の様子をみながら仕事を続けられるため、無理に保育園に預ける必要もなくなります。

在宅勤務では人間関係に悩むことも少なくなります。在宅勤務であれば一人で仕事をするため、相性の合わない同僚や上司と顔を合わせる必要はありません。飲み会に誘われたり断ったりすることも少なくなるので、人間関係のストレスは大きく軽減されるでしょう。もともと職場の飲み会が苦手、一人で仕事をしたいという人なら、在宅勤務が向いています。

日本ではリモートワークテレワークの助成制度が増しています。なぜ増加しているかというと、国は働き方改革の一環としてリモートワークテレワークを推進しているからです。国や地域の助成制度を上手く活用することで、在宅勤務をスムーズに始めることができます。

在宅勤務のデメリット

在宅勤務は自由な時間が増えるというメリットがある一方で、時間にルーズになりやすいデメリットがあります。勤務時間を自由に調節できるため、休憩時間や睡眠時間が長くなって仕事のペースが遅くなってしまったり、終業時間が曖昧になって働きすぎてしまったりする問題があります。自宅にいると気持ちが緩んでしまい、普段できていることができない状態になることもあるでしょう。在宅勤務をするときは、時間の管理と自己管理が大切です。在宅勤務で結果を出せるかは、自己管理に委ねられるといっても過言ではありません。誰にも見られてないからといって仕事をサボったり、あまりに怠惰な生活を送ったりしていると仕事を失う可能性もあるため、自己管理できない人が在宅勤務をするのは難しいかもしれません。

また、職場の人とすぐに連絡を取り合えないのも在宅勤務のデメリットだといえるでしょう。職場にいるときは同僚や上司とすぐに話せたことでも、在宅勤務だとコミュニケーションを取る際にいちいちチャットやビデオ通話を使用せねばならず、手間がかかります。人と会う機会が減れば、仕事を教えてもらう機会も減ってしまいます。ビデオ通話で教えてもらうことはできても、対面よりも手間がかかりがちです。コミュニケーションの壁をどうクリアするかが、在宅勤務の大きな課題となるでしょう。逆に普段から周りと相談せずに黙々と仕事をこなす人や、個人で完結する作業であれば、コミュニケーションの壁は大きなデメリットにはならないといえます。

在宅勤務だと正当な評価が受けづらい面があります。上司は部下の働きぶりを確認できないため、正しい勤怠評価をするのは困難です。毎日頑張って仕事しているのに、それに見合った評価を得られないと、モチベーションも低下してしまうでしょう。在宅勤務では事前に目標を立てて、一定期間内にその目標を達成できたかどうかを評価する方法が適しています。在宅勤務に適した評価方法がすでに導入されている会社であれば安心ですが、そうでない会社もあるため注意が必要です。

在宅勤務を始めるには?

在宅勤務を始めるうえで大事なことは、仕事に集中できる環境づくりです。仕事に必要な整備を準備することはもちろん、仕事と私生活との境界を設けることも大切です。まずは、在宅勤務にどんな設備が必要になるのか、一通りリストアップしてみましょう。

在宅勤務をするうえで最も欠かせないのは、パソコンやインターネット環境などの通信設備です。離れた場所にいてもすぐに連絡が取れるような通信環境の確保は必要不可欠です。パソコンやタブレット端末などは会社が用意してくれる場合もあれば、そうでない場合もあります用意してくれない場合は自分で費用を負担しなければならないので注意が必要です。最近は比較的安い価格でパソコンを購入することができますが、デザイン系の仕事をする場合は、高スペックのパソコンが必要になる場合もあります。また、自宅にインターネット環境が整っていない場合は、インターネット回線を用意しなければなりません。スマートフォンのテザリングだけで仕事をするのは無理があります。公衆Wi-Fiを使用するとセキュリティリスクが高まるので、早めにインターネット環境を整備しましょう。得意先と仕事のやり取りをする際に通信に不具合があると、仕事に悪影響が出るだけでなく、得意先からマイナスイメージを持たれる恐れがあります。そうならないためにも、通信設備は万全の体制を整えておきましょう。パソコンやインターネットの設定に自がない場合は、業者に依頼するのも一つの方法です。費用はかかりますが、今後のことを考えるとお金を払うだけの価値はあるでしょう。

通信設備をどこまで整備するかは、業務などによって異なります。仕事に専念できるように、できる限りオフィスに近い環境を用意しましょう。モニター、マウス、キーボード、ノートパソコン用スタンドなど、仕事に適した道具が必要です。さらに、プリンタ等の周辺機器が必要になる場合もあります。プリンタを所持していない場合は支給されるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。これに加えて、オンラインツールも必要です。離れた場所でもオフィスとコミュニケーションが取れるように、メールやチャットアプリ、オンライン会議システムなどを導入しておきましょう。業務内容に見合ったスペックのパソコンやツールを準備することが大切です。

長時間座って仕事する場合は、腰などに無理な負担がかからない椅子を用意しておくと安心です。家庭用のダイニングチェアは長時間の着座を想定していないため、座っているとお尻が痛くなったり背中が丸まったりして、仕事に集中できなくなります。できれば人間工学に基づいた椅子や机を用意しましょう。

在宅勤務を始めるうえで重要なことは、仕事する場所と生活の空間を仕切ることです。何よりも大切なのは、適切なワークスペースを準備することです。もともと家の中に書斎などの仕事専用スペースがあれば問題ありませんが、ダイニングキッチンなどで仕事をする場合、子供の世話に時間を取られて仕事に集中できない可能性もあります。集中を削がれないようなワークスペースを事前に用意しましょう。周囲の雑音が聞こえにくい場所で、仕事と生活の切り替えがしやすい空間であればベストです。使っていない部屋があるなら、その部屋を在宅勤務専用のスペースとして活用してみましょう。しかし、家の間取りによって個室を用意できない場合もあるかもしれません。

個室がない場合は、部屋の一角に仕切りを設置して新たに空間を設置するのもおすすめです。寝室の一角など、空間を設置する場所はどこでもかまいません。最近は自宅にプライベート空間を作り出す室内用の箱形テントなど、便利なグッズが販売されています。これらを利用して作業に没頭できる空間を作ってみましょう。テントであれば、低コストですぐに個室を用意できます。難しく考える必要はないので、一工夫してみましょう。在宅勤務の場所作りで注意することは、仕事をする場所の近くに洗濯物などの生活用品を置かないことです。生活空間と分かりやすいものがモニターに映りこんでしまうと、気が散ってしまいます。個室で仕事する場合も、集中を削がれそうなものは事前に片付けておきましょう。

仕事をする時間帯を事前に決めておくのも一つの方法です。子供が保育園や幼稚園に行っている間に仕事を済ませる、もしくは子供が寝た後で仕事をする、といったように仕事に集中しやすい時間帯を選べば、家族に邪魔されるストレスも軽減できます。

在宅勤務を始めるときの注意点

オフィスと同じリズムで自宅で働くことは、予想以上に大変です。自宅では家族やペット、洗濯機などの生活音に邪魔され、仕事に集中できなくなることも日常茶飯事です。一般の住宅には防音設備などが備わっていないため、家族の話し声やテレビの音が気になって、ストレスが溜まってしまうこともあります。そのような環境で在宅勤務を続けていくと、自分だけでなく家族にもストレスがたまってしまいます。家庭環境が悪くなる前に、家族間でルールを設定しておきましょう。仕事をする間は音をたてない、仕事部屋に入らないなど、家族に協力してもらうことが大切です。家族としっかり話し合い、理解を得てから在宅勤務の第一歩を進めましょう。

家族だけでなく、自分にもしっかりとルールを定めておく必要があります。在宅勤務を成功させるために必要なことは、時間管理と自己管理です。在宅勤務では勤務の開始時刻や終了時刻が決まっていないため、深夜まで仕事を続けてしまうことも珍しくありません。そうすると、生活のリズムが乱れてしまい、ワークライフバランスがれてしまう可能性もあります。プライベートの時間を充実させる目的で在宅勤務を始めたのに、実際に在宅勤務を始めてみると仕事に時間を取られてしまい、逆の結果になる場合もあるのです。

在宅勤務を
始めるときは、オフィスで働く場合と同様に、勤務の開始時刻と終了時刻を設定しておきましょう。仕事がまだ途中でも、時間がきたら仕事を終えるルールを徹底することが大切です。睡眠時間もきちんと管理しましょう。在宅勤務を始めたばかりのころは、通勤時間がなくなった代わりに睡眠時間を増やしがちです。しかし、仕事を始めるギリギリまで寝ていると、仕事に支障が出るだけでなく、生活全体がだらしないものになってしまいます。良いスタートを切るためにも、コーヒーを飲む時間や朝食をとる時間を確保しましょう。仕事モードに切り替える時間を確保すれば、自宅でも仕事が捗りやすくなります。

在宅勤務中は意識的に休憩時間を取ることも大切です。周囲に他人がいないと、休憩せずに働き詰めになることがあります。仕事に集中できていても、適度な休憩は必要です。オフィスにいるときは、休憩室やカフェでドリンクを飲んだり同僚と会話したりなど、休憩する機会がたくさんあります。在宅勤務でもキッチンでコーヒーを淹れたりお菓子を食べたりして、リラックスする時間を作りましょう。自宅で働いていると、仕事と私生活の切り替えが非常に難しくなります。仕事と私生活をきちんと切り替えるためにも、軽い気分転換をする時間が必要です。時間管理や自己管理を徹底して正しい習慣を身に付けることができれば、自宅でも優れた成果を上げられるしょう。

在宅勤務
の最大の課題は、職場の上司や同僚とコミュニケーションを取りにくくなる点です。在宅勤務でもチームや会社の人とのコミュニケーションは必要です。会社に出社した働く場合は、みんなが同じ職場で働いているため、困ったときや相談したいときはすぐにコミュニケーションを取れますが、在宅勤務では気軽に声をかけることができません。コミュニケーションが欠けてしまうと、ほかの人が何をしているのかわからないため、モチベーションが下がる、仕事のノウハウを身に付けにくいといったデメリットをもたらす可能性もあります。在宅勤務を始めるときは、同僚や上司とのコミュニケーションをどうするかを考えておきましょう。

在宅勤務
という勤務形態では、コミュニケーションの質を高めるよりも量を増やすことを心がける必要があります。在宅勤務でチームメンバーの様子を把握できないため、オフィスにいるとき以上に報告・連絡・相談を重視することが大切です。しかし、メールやチャットだけを使って文字だけでコミュニケーションを取ろうとすると、正しく意図が伝わらないといった問題が発生しがちです。対面コミュニケーションが減ることで生産性まで低下することがないように、ZoomなどのビデオチャットやWeb会議システムを導入するなど、事前に対策を打ちましょう。

在宅勤務
で懸念されるのは、セキュリティの低下です。外部ネットワークから社内システムにアクセスするため、情報漏洩やウイルス感染などのリスクが自ずと高まります。情報暗号化や遠隔のロックなど、事前にセキュリティシステムを導入している会社もありますが、すべての会社が万全のセキュリティを整えているわけではありません。会社のセキュリティ対策に頼るのではなく、自宅の通信環境のセキュリティを強化することも大切です。万が一自分のパソコンから会社の大切な情報が漏れてしまった場合は、自分への信頼が低下してしまいます。そのような事態を避けるためにも、ウィルス対策ソフトのインストールやパスワード認証など、使用するパソコンのセキュリティは万全に整えておきましょう。

在宅勤務
は、まだ導入を始めたばかりの会社が多いため、制度が整っていなかったり、きちんと運用されていなかったりすることも少なくありません。制度があっても利用してないケースや、在宅勤務をする際の制限が定められているケースもあります。社内で在宅勤務のツールが整備されていないために、わざわざ出社しないと仕事にならないケースもあるのです。これでは、ライフステージに合わせた在宅勤務は難しくなります。在宅勤務を始めるときは、制度の運用体制や実績、利用しやすい風土があるかどうかなど、実態を確認することが大切です。

在宅勤務は環境づくりが大切

在宅勤務は子育てやプライベートと両立しやすいメリットがある一方で、仕事と生活の切り替えがしにくいデメリットがあります。事前に在宅勤務のルールを設定して、家族に協力してもらいながら、仕事に専念できる環境を整備しましょう。自己管理や時間管理を徹底することで、自宅でも効率よく仕事をこなせるようになります。

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