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明日からできる、主体性ある部下と子供の育て方

男性の育休取得率がたった3%しかない日本では、母による育児が基本となっています。母は育児を通して「ヒトの育て方」について悩み、考え、実行する毎日を送る、いわばヒトの育成のプロフェッショナルなのです。そんな母による育児を通して身につける育てる力をどのようにビジネスの観点で使用していけるのかについてご紹介していきます。今回は子どもに関わらず誰もが身に付けたい「主体性」あるヒトの育て方です。

主体性がある人とは

そもそも主体性がある人とは、自分の意志や決断に基づいて行動する人のことをさしています。

あなたの職場でも「あの人は全然自分から意見を出して動いてくれない」「イエスマンで何でもハイと言い、すぐに人に流されて仕事をする」と言われると思い当たる人が一人はいるのではないでしょうか。

もしそうだとすれば主体性がなぜ重要なのかを知らなければ主体性の重要さを伝えることはできません。早速主体性がなぜ重要なのかについて見ていきましょう。

主体性が重要視されるわけ

主体性が重視される一番の理由は持続的にモチベーションが保たれるためです。

高校生、大学生という学生であればお金を払って学びに行っている立場なのでやりたいことだけやっていれば良いかもしれません。しかし社会人として仕事していく上でそうはいかないのが実際のところです。

主体性を持つことで、どんな仕事に対しても自分で意義理解、目的設定、目標設定、コミット、達成をするように取り組むことができます。そして誰かに設定されたゴールを追うよりも自分で設定したゴールの方が圧倒的にコミット量の部分で差が開くのです。当たり前ですが、コミット量で差が開けばおおよそ成果物の良し悪しにも直結するのです。


逆に主体性がないということは自分で決めたわけではないことに関して実行をすることになります。そうなれば最終のアウトプットに対する責任は「仕事を投げてきた」人にあることになり、主体は仕事を投げた人になるのです。

また主体性があることによって学びを得ることができるのも大きな理由です。

主体的であることによって、失敗することもまた自分の責任になります。なぜ失敗したのか、どうしたら上手くいくのかというのは、自然とPDCAを回すことにつながります。失敗を通じて学ぶ癖を身につけることで失敗に対する恐怖を取り除くことにも繋がるのです。

では主体性はどのように育むことができるのでしょうか。子育てを事例に紹介していきます。

主体性を育む子どもの育て方

子どもの主体性を育むには放置はしないと同時に、過保護は絶対にしないことが重要です。

無理に勉強や部活動に口を突っ込んだり、昨今でいうモンスターペアレントのような言動をしたりすれば子どもは親の言うことが正しいし、間違っても親のせいだという間違った認識を持ち合わせます。

よくあるのが就職先に関して「まず大手が良い」「銀行などは安泰だ」と断言してしまうことです。親の心配する気持ちはあって当然ですが、子どもの進路に関しては親の考え方が鏡になることは少なくありません。そしてその考えを元に生きている限りは親のせいになるのがオチです。

主体性を育むための親のあり方としてはまず「どんな決断でも許容すること」と「可能な限り決断したことを応援するための援助をすること」です。

自分の考え方と子どもの決断が全く違ってもまずは許容してあげることが大切です。子どもの親に対する口癖で誰もが聞いたことのある「何もわかってないくせに」は実は間違っていないかもしれません。今の小学生がどれだけスマホを手にしているかなど、スマホがそもそも存在しなかった世代にとって理解できないことは多々あります。

そして、決断を許容したら最大限の援助をすることが大切です。援助はお金がかかることもあれば、時にはアドバイスをする場面もあります。ただ決断自体を否定するのではなく、やれるところまで自走させるための手伝いをするのが親の役割です。

では実際のビジネスの場面であなたのチームの主体性がない人にはどのように接することで主体性を育むことができるのでしょうか。ビジネスの現場に置き換えてみていきましょう。

育児を活かす主体性ある人の育て方

あなたがあるメンバーの上司であることを想像してください。今からあなたはチームのメンバーに対して仕事の依頼をします。上司がメンバーはこの仕事をできるかどうか、またメンバー自身がこの仕事をできるかどうかをどう捉えているかによって接し方が異なります。

上司(親):できる、メンバー(子):できる

まず両者とも「できる」と考えている場合は放任して問題ありません。本人も自信を持って進めることができるので、基本的に全て判断するように進めて良いでしょう。

一点ビジネスにおける注意点としてむしろ頻度高く報告するように促すことです。うまくいかない時に比べると自分で進めたいという欲が強く現れます。問題が発生してからでは遅いため、週次でMTGを設けるなど報告をこまめに行うようにする方が良いでしょう。

上司(親):できる、メンバー(子):できない

上司ができると感じていて、メンバーができないと感じている場合は「寄り添う」ことが必要です。仕事内容に関して端的に聞けばできないと思った場合でもタスクを細分化して見せることで普通にできる仕事である場合があります。どの部分に対してできないと思ってしまっているかを見極め、必要なタイミングでアドバイスをするなど近い距離でフォローすることで自ずとできるようになって行きます。

上司(親):できない、メンバー(子):できる

上司ができないと感じていることに対してメンバーができると思うのは、メンバーのことを理解している上司であれば危機感を持ってみておく必要があります。全く別の方向性で解釈していたり、思っていた質の成果物が上がってこなかったりという経験したことがある人も多いはずです。

この場合は「正す」コミュニケーションをとる必要があります。できると思っている限りは主体性を発揮できる状況であるため、目標設定を細かく行って進捗の管理をし、ずれたら修正をするなど常に正しながら自走するように接することでできることが増えて行くはずです。

上司(親):できない、メンバー(子):できない

お互いにできないと感じている場合には「教える」ことが必要です。動き出しができない状態を放置しておくと「これは上司に言われたから」という思いが膨れ上がる一方です。本人が理解するところまでは教え、方向性が見えて走り出せるようになったら少しずつ手を離していくのが良いでしょう。

子どもの入学の翌日からの登下校では車でない限り途中まで一緒に行くなどしていたはずなので、教えてできるようにするのは親であれば決して難しくないことですよね。

職場で主体性ある人を育む接し方

主体性育むために「決断の許容」と「最大限の応援」が必要です。子供を育てる時に意識したこの2つは決して育児だけに使える能力ではありません。

仕事では「何が正しくて正しくないのか」という判断を早急に行うことには限界があります。そこでまず決めたことをやってみて、状況に応じて修正するという仕事が生まれるのです。

部下やメンバーが行なっている仕事に関しては最大の応援者としてアドバイスや時には権限を用いて助けるなどをすることで、主体性を持って仕事に当たることができます。また忘れてはいけないことが部下やメンバーが主体的に取り組めるようになることで子供と同じように自分が楽になるということです。「勉強をしろ」という親も大変です。自分で目標を決め、実行できるようになることで救われるのが親であり、上司であるとしたら職場でこのスキルを使わないわけにはいかないのです。