髙野瑶子さん|新しい自分の良さに出会うために、仕事を続けていきたい
有機野菜などの宅配サービスを手がけるらでぃっしゅぼーやに新卒で入社した髙野瑶子さん。2度の産休・育休を経て、現在は経営統合して誕生したオイシックス・ラ・大地のOisixEC事業本部のママチームでサービスや商品の企画に携わっています。社内で築いた確かな信頼と経験をいかし自然体で新しい仕事に取り組む髙野さんに、仕事に対しての想いを伺いました。
髙野瑶子
オイシックス・ラ・大地株式会社
チャレンジしたかったのは、子育て経験を活かせる仕事
妊娠後から3歳未満のお子様をもつお母さんを対象にした「プレママ&ママコース」向けの商品やミールキットの開発、売り場づくりを担当しています。お子様の月齢や季節に合わせた商品の開発や提案、お子様と一緒に手軽にイベントを楽しんでいただける商品の企画など、お母さんの持っている課題を解決できるサービスを目指し、日々取り組んでいます。
2018年から現職のOisixEC事業本部のママチームに在籍しているのですが、以前はらでぃっしゅぼーやのカスタマーサポートの部署で長く働いていました。お客様対応やサービス改善のほか、タイのバンコクや中国の大連のコールセンターの立ち上げにも参加。その間第一子、第二子を出産するため育休・産休を2度取得しました。休みの間は子供と向き合いつつも「自分は今後どのような仕事をしたいのだろうか」と、会社での次のステップについて考える時間も徐々に増えていったように思います。
そんな中、復職間近のタイミングで、OisixEC事業本部ママチームへの公募の話を聞きました。育休明けのタイミングで全く違うチームに入り、違うブランドに携わる不安はありましたが、もともと農学部出身で農業や食に対しての関心は高かったですし「お母さんたちはどのような商品やサービスを求めているのか」を考える、まさに今の私がやりたいことにぴったりの仕事ではないかと直感的に感じました。そこで迷わず手を上げ、2度目の産休・育休明けから新しい部署での仕事がスタートしたのです。
家族が笑顔になる楽しい食卓を届けたい
育休明けに新しい部署で新しい仕事をすることになりましたが、私自身の子育ての経験を活かせることも多く、毎日苦労しながらもとてもやりがいを感じています。ですがお客様に喜んでいただける商品やサービスを企画するために大切なことは、自分の経験や主観だけでなく俯瞰した目線ももつこと。新商品を出した時や新しいサービスを行った時は特にお客様のフィードバックに耳を傾けるようにしています。実際にヒアリングしてみることで発見できる気づきはたくさんありますね。お客様だけでなく、社内のママ社員にも積極的に意見を聞くようにしています。
私たちが販売しているミールキットは「お惣菜や冷凍のおかずを家族に食べさせるのは罪悪感がある」というお母さんにぴったりの商品です。仕事や日々の子育てで忙しいお母さんたちに「自分の手料理を家族に食べさせている」という気持ちをもってもらうことで、日々の満足度や充実感を高めてもらえたら嬉しいですね。また、日常の食卓ももちろんですが、「子どものためにイベントごとはしっかりとやってあげたい」というお母さんたちもサポートしたいと思っています。実際に、クリスマスにはブロッコリーやトマトなどの野菜と、サンタクロースやジンジャークッキーのピックを作成できる台紙をセットにした「クリスマスツリーサラダセット」を、ハロウィーンにはかぼちゃを使ったドライカレーにおやつを付けたミールキットを企画販売し、ご好評いただきました。年に数回しかない貴重なイベント時にはお子様と楽しく思い出に残るような、それでいてお母さんの負担が少なくすむ素敵な体験を、みなさんの食卓にお届けしたいと考えています。
現在プレママ&ママコースにご登録いただいているお客様の数は約2万人で、今の私はそこにターゲットを絞ってサービスを考えています。ですが子供の成長とともに食に関する課題は変わっていくもの。小学校に入ると運動会などイベントごとが増えたり、中学生になると食べる量が増えたり、家族の成長に合わせて毎日の献立や食事への悩みも変化しますよね。そういったより広い範囲のニーズに応えられるような、新しい商品やサービスの開発、新しい仕事にも今後チャレンジしていきたいです。
働くことは自分の新しい良さの発見につながる
もちろんこれまでに仕事と子育ての両立が難しい時もありました。特に現在の部署で仕事を始めたばかりの時は、育休明けで生活リズムがまだ整っていない中、まるで転職したのかというほど異なる環境やスピード感で働くことは、戶惑うことも多かったように思います。また、今年の春には⻑男が小学校に入学し、大きな環境の変化に、彼が不安定になった時期もあり、もっと子どもと時間をかけて過ごすべきか悩んだりもしました。そんな中でも仕事を続けてこれたのは、何よりも周囲の理解や社内のサポートのおかげです。急に仕事を休んでしまった時に「お子さん心細いと思うので支えてあげてくださいね」と、上司から連絡をもらった時は本当にありがたいなぁと感じましたね。一言フォローしていただくだけで、こんなにも心が救われるのかと思いました。子育て中のお母さんが働きやすい職場というのは、働き方に関する制度が充実しているよりも、男性も含めて職場の理解が高いことが重要な気がしています。
そういった部分への理解は非常にありつつも、子育て中だから、時短勤務だから、ということで任される仕事が制限されるということはなく、積極的にチャレンジしていける風土もあるので、大変ですが、やりがいもありますね。周りのママ社員の活躍や仕事への姿勢からもすごく刺激を受けますし、モチベーションにもなっています。
また、より良いパフォーマンスを発揮できるよう、個人のスキル成長に重きをおき、時間をかける会社なので、自身の成長への意識は高くなりました。例えば「企画力をあげたい」といった目標を掲げた場合、じゃあそのため必要なスキルは何か、具体的に何をアウトプットするのかといったことを上司と一緒に落とし込んだり、毎月フィードバックをもらったりと、成長する機会をしっかりと与えてくれます。そのなかで自分に足りない要素が次第に見えてくるのですが、自分の良いところも新たにわかってくるのが嬉しいですね。
子育てをしながら働くというのは難しい時もある一方で、子供と一緒にいられる時間を改めて大切に思えるというの点も何よりの魅力ではないでしょうか。私も仕事帰りに子供の顔をみる度に、とても愛おしく感じています。「子育て中だから」「新しい環境に馴染めるかどうか不安だから」とあれこれ考えるのではなく、自分のやりたい仕事には積極的な姿勢で望むと、子育ても仕事も充実した時間を送ることができると思います。働いていなければ得られない貴重な経験は多いはずなので、少し肩の力を抜いて、色々なことにチャレンジしてみてください。