志賀祥子さん|子育てを終えたいつかの私のために育児と仕事のベストバランスをみつける
大手企業の社長秘書やベンチャー企業の経営企画、広報責任者と長年の”経営者との伴走経験”を活かし2015年に独立。2017年に出産を経て、2019年に株式会社MaVieを設立した志賀祥子さん。ブランディングと経営課題の解決に特化し、企業の課題解決とブランド育成を手掛けます。
また自身の経験から、女性特有のライフイベントを問わず、キャリアの選択肢を広げ、自分らしいライフワークバランスを実現できる女性を創出するべく活動。2018年には、ミレニアル世代の育児と仕事の両立を考えるコミュニティを立ち上げ、300名規模に成長させました。現在は、個人での連載やインタビュー、講演、コーチングなどを通じて、女性のエンパワーメントにつながる活動を提供しています。今回は、現在の活動や今後の展望についてお話を伺いました。
志賀 祥子(しが しょうこ)さんプロフィール
株式会社MaVie 代表取締役
住宅メーカー社長秘書/経営企画としてM&Aや大型リブランディングに従事。
その後、ベンチャー企業にて富裕層向けプロモーション・商品開発に従事し、上場前後の企業の転換期に経営企画・広報責任者を歴任し、2015年に起業。常に経営の近くに従事した知見をもとに、2019年に株式会社MaVieを設立。
経営のわかる専門家として、企業・経営者のパートナーとなり、ブランドとビジネスの両軸から支援する独自のスタイルで売上・事業拡大に貢献。手がけるブランドは、毎期連続売上増加も実現している。
公私共に数多くのおもてなしを体験してきた知見を活かし、ラグジュアリーな旅・食に関するブランドやプロジェクトも手がけている。
働く母親の悩みは昭和の頃から変わっていない
私は産後のキャリアを見据えて、妊娠や出産というライフイベントの前に独立を決意しました。そして、2017年に娘を出産し、2018年に「M relations」というコミュニティを立ち上げ、クローズドな交流会イベントとメディアを運営していました。
コミュニティを立ち上げた背景は、キャリアの選択肢を広げ、自分らしいライフワークバランスを実現できる社会にしたいと思ったからです。様々な職種、環境で仕事と子育てを両立する女性たちが、どのように壁を乗り越えたらよいのかを真剣に考えた結果、当事者たちがお互いの経験や知見をシェアすることこそ、誰かの力になるのではないかと考えました。
私自身が初めて妊娠や出産を経験した際、知りたい情報を探しても「働く母親」のリアルな情報は今に比べると、ほとんどありませんでした。妊娠中も子育て中も「もっと早く知っていたら…」ということがあまりにも多かった。 そのことを先輩ママに話すと「私もそうだったよ。こうやって乗り越えたよ。」というリアルな情報が手に入るんですよね。長年の彼女たちの経験や知識が全くシェアされていない世の中を、もう終わりにしたいと思いました。男女雇用機会均等法が施行された昭和の後期、つまり50年以上も前に子育てをしていた女性たちの悩みと、平成が終え、令和時代の今も悩みのテーマは変わっていないという調査もあるほどです。
働く母親の多くは、自分の悩みとしっかり向き合う時間はなかなか取れないもの。そこで私が立ち上げたコミュニティでは、月に1度ナレッジシェアの場を設けました。朝やランチタイムなど、働きながらも参加しやすい時間帯に開催し、限られた時間で自分の課題や悩みを可視化し少しでも解決に導くこと、ヒントを得られるよう、ポジティブな場の雰囲気づくりを大切にしていました。
クローズドな場で、子どもの有無に限らず20代〜40代の幅広い働く女性にご参加いただいていました。イベントは、参加者が共通の目的意識を持ち、双方向に会話ができるようクローズドに開催したことが好評で、クチコミで参加者が増えていきました。4年間運営していましたが、一度もネガティブな発言や雰囲気になることはなかったんです。それだけ皆さんポジティブに人生を謳歌するために集まっています。その空気感は、運営している私自身も毎回パワーをもらっていました。
(本コミュニティは、2022年に多角的な活動をされるW&COに統合しています)
現在、こうした観点での活動は、メディアでの連載やインタビュー、セミナーなどお声がけを頂いたベースで地道に続けています。また個人の方向けには、ビジネスコーチングのような位置付けで、女性のキャリア設計や開業独立のサポートもしています。私自身のキャリアや起業経験をナレッジシェアができたらと、主軸事業と並行しながら行っています。
育児と仕事にはポジティヴなシナジーがある
働く女性のなかには、妊娠や出産、育児が仕事にネガティブな影響を及ぼしてしまうのではと不安視する方もいらっしゃると思います。もちろん大変な場面もありますが、それ以上にポジティブな面がとても多いということを私自身の経験からお伝えしていきたい点です。
私も産後は不安を感じてしまう日がありました。「子どもはとっても可愛いし成長を間近で見ていたい。ずっと一緒にいたい」と思う一方で、仕事好きな私は「社会とつながり、仕事を通じて社会貢献や自己成長することも、私にとっての生きがい」なんですよね。その働く母親ならではのバランスは、少しずつ仕事を再開しながら、自分にとっての良いバランスを掴み、充実していくのを実感しました。
娘を初めて保育園に預けた日、ひとり静かにパソコンを開いた瞬間に仕事のスイッチがぱちっと入った感覚は今でも忘れられません。子どもを授かったことで、仕事ができるありがたさも同時に噛みしめることができ、自分の子どもが生きる未来をよくしていきたいと思う親心も芽生え、燃料が倍になりました。
またビジネスでも実際にポジティブな影響がありました。ブランディングという専門家としての視点と、働く母親としての消費者視点が相乗効果を生んでいます。例えばこれまでに、リゾート親子旅のプラン開発、また幼児食やオーガニックフード、子育てをテーマにした映画などを手掛けました。
このように出産・育児という新しいステージでの経験が、さらに仕事の幅を広げてくれていると感じています。また小さい頃は出張に連れて行ける時は、一緒に行っていたので、小学生になった今では私の仕事をよく理解してくれています。
子育てを終えた自分がどうなっていたいか逆算してキャリアを築く
私は新卒で金融機関に就職し、その後大手住宅メーカーやベンチャー・スタートアップで経営企画や広報責任者を経験しました。しかしどの規模の組織に在籍していても「子育てと仕事を笑顔で両立している女性」が身近にいませんでした。そこで漠然と、ライフイベントをきっかけに色々なことを仕方なく諦めるのはおかしい。女性がライフイベントを迎えても、やりたいことを諦めずに自己実現を続けるには、どうしたらいいのだろうかと考えていたんです。
私は10代の頃から、自分の意思で、納得して選択した人生を謳歌したいと思っていました。後悔しない人生を歩むために、可能性のあることは全てチャレンジしないと気が済まない性格。そこで、自分なりに模索し挑戦しようと思ったのが独立のきっかけです。
2015年に独立し、2017年に出産。育児と仕事の両立の”自分にとっての良いバランス”を少しずつ見つけていきながら、ビジネスを拡大していきました。
2019年に株式会社MaVieを設立してからは、小さな子どもがいながら会社を創業した女性として、多くのメディアから取材や各種セミナー、講演などのお声がけをいただくようになりました。講師をしている中で感じたのは、学生も社会人も共通するのは、ライフイベントとキャリアの両立に対して、「漠然とした不安を抱えている」ということです。世の中には、忙しそうに、そして大変そうに働く母親のニュースばかりですから、そう感じてしまうのも不思議ではないですよね。
子どもの成長と共に、ワークライフバランスを柔軟に考える
私が経営する会社では、企業の経営とブランディングの課題を包括的にサポートしています。最近では、ダイバーシティ観点でも参画する機会も増えています。経営視点と自身のキャリアやライフイベントの経験が相乗効果でお役に立てることを実感しています。
コロナ禍を経た現在は、「働く」という選択肢が、多岐にわたります。今では「働く」といっても、勤務体系も雇用体系も様々な選択肢があります。企業側も、そのための環境や制度の構築に力を入れていますから、チャレンジしやすくなりましたよね。
子どもの成長は、あっという間です。乳児、幼児、小学生、中学生…と数年単位で子どもの成長と共にワークライフバランスの優先順位が変わっていきます。そうした際に、柔軟に適応していけるといいですよね。ここで重要なのは、目の前のことに追われがちですが、ぜひ今だけでなく、近い未来を描きながら考えてみてください。その上で、自分が納得した選択をすること、そして挑戦する前からあきらめないこと。子育てが落ち着き、自分の時間ができた時に、果たして自分はどのような姿になっていたいでしょうか。目標がある程度定まったら、少しずつ選択肢を広げながら一歩踏み出してみると、そこには新しい景色が見えているはずです。
株式会社MaVieのご紹介
MaVieは、経営とブランディングの両軸で企業成長を支える戦略ブランディングカンパニーです。従来型のコンサルティングではなく、1社1社、おひとりおひとりのお悩みに合わせたビジネスの持続的な成長を目指した事業拡大をサポートします。またラグジュアリーマーケットに特化したプランニングやパーソナルビジネスコーチングなど企業・個人ともにパーソナリティを確立し、「個」に寄り添うサポートメニューを展開しています。
会社HPはこちら:https://mavie.style/
社員の働きがいをアップデートする福利厚生サービス「TUMUGU(ツムグ)」
QOOLキャリアは、「私らしく働く」ことができる社会環境を当たり前にするためのすべてのことをサポートしています。
企業が抱える組織課題、社員が職場に言えない悩み、どちらにも自分らしさを追求できる仕組みを提供し、お互いに成長し続けることができる社会を目指します。
その一環として、福利厚生サービス「TUMUGU(ツムグ)」(以下、TUMUGU)を提供し、企業と社員の双方をサポートしています。TUMUGUは、育児や介護、妊娠中の方々を対象にした多様なサポートを提供し、社員がライフステージに合わせて無理なく働き続けられる環境づくりを支援します。個々のニーズに寄り添い、企業の成長と従業員のワークライフバランスを両立させるための柔軟なサービスを展開しています。
TUMUGUのサービスサイトはこちら:https://tumugu-service.jp/
お問い合わせはこちら:https://career.qo-ol.jp/tumugu/