出産後も仕事を続けたい女性必見!プロが教える〝上手な転職面接の質問のしかた〟
女性の転職活動において、日本ではまだまだ子供がいることがネックになりやすいのが現状です。転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめ、さまざまな人材サービスを手がけるパーソルキャリア株式会社。キャリアアドバイザーとして、さらに同社の面接官としての経験もある今井さんに、子育て中の女性や、出産後も仕事を続けたい女性が注意したいNG質問について伺いました。
今井裕子(いまい・ゆうこ)
製薬会社の営業職を3年経験し、2006年パーソルキャリア株式会社に転職。企業の採用コンサルティングを経てキャリアアドバイザーに転身。これまでに約1500名の転職希望者のキャリアカウンセリングを実施してきた。2014年、アメリカCCE,Inc.認定のGCDF-Japanキャリアカウンセラー資格を取得。同社の面接官も1年半経験した。自身も小学生の男の子をもつ。
面接官からの印象を考慮した質問のしかた
まだ独身、あるいは、結婚していて子供はまだいないのでフルタイムで働ける女性が、転職しようとする時に気になるのが、産休・育休明けの復職に関すること。復職できるか、復職率は、復職後のフォロー体制は、子供が熱を出したら早退できるか、などです。
とても気になるのはわかりますが、面接での聞き方はとても大事。知りたい情報をそのままストレートに「早退できますか?」「フォローはありますか?」「復職率何%ですか?」と聞いたら、面接官の印象はどうでしょうか。
たとえば、
「こういう考えで長く働きたいと思っていて、今すぐ子供を、とは思ってはいませんが、でも、仮にそうなった場合に、どのような体制がありますか?」
「今、復職して時短で働いている方や子育て中の女性の方はいらっしゃいますか?」
「その方々の中でパフォーマンスを上げていらっしゃる方は、どのような方ですか?」
といった聞き方の方が印象よく企業の情報を収集できます。
面接官側や雇用する企業側はどう思うか、と、そこまで想像力を働かせて、質問すること。これは子育て中に限らず、一般的な転職活動での面接も同様です。
「残業何時間ですか?」と聞くのか、「今まではこれぐらいの時間残業していて、ここを超えると業務のクオリティが下がると思っています。このぐらいの時間だったらできますが、御社はいかがですか?」と聞くのか。そこでも、面接官の印象は変わってきます。
先方からの質問がひととおり終わって、「弊社に対して何かご質問ありませんか?」という段階になったら、そこでもう面接が終わったと思ってしまう方がいらっしゃいますが、質問を通して、あえて自分をアピールするのも大切です。
資格を取るなら業務に付随するもので
即戦力性をもっていることや、仕事の勘が鈍っていないことがわかると、雇用する企業側は安心して採用できます。即戦力性をアピールするため、育休中に資格取得をしておくのもいいと思いますが、やみくもに資格を取りにいくのではアピールにつながりません。
あくまでも、第一に企業が求めているのは業務経験であり、業務遂行の可能性・即戦力性となります。業務に付随する資格や業務に役立つ資格を中心に取得するといいでしょう。現状、未経験で応募できる秘書や経理などの職種は、秘書検定や簿記などの資格が有効です。
その他、ワーキングマザーとして働き続けたい理由や家族のサポート体制の有無、ブランクがあってもすぐに取り戻せるというアピールなど、あらかじめ内容を整理しておいて、ていねいに説明することもおすすめです。
転職エージェントを大いに活用しよう
転職エージェントは、転職先の希望やご自分のやりたいことが定まっていらっしゃる方だけでなく、迷っている段階でもご利用いただけます。
「プロの考えを聞きたい」「売り手市場で求人案件があふれているので、うまく情報の取捨選択をしたい」「この考えでいいのだろうか」「この能力を身につけるには、この職種でいいのだろうか」といったことでも、どんどん活用していただきたいと思います。
「ここもいいですが、こちらのほうも」「こういう考え方もあります」など、違った角度からのお話しもできます。「転職して何をしたいですか?」という質問にパッと答えられる方はほぼいらっしゃいません。
ですが、「今までの仕事で、達成感ややりがいを一番感じた瞬間は、どんな時ですか?」という質問をすると、個性や価値観が出てくるのです。その回答によって、志向性やモチベーションを維持するポイントなどがわかってきますので、たくさんの求人の中から徐々に絞ってご案内します。
悩み相談と同じで、誰かと話すことで自分の気持ちを整理したり確認したりすることができます。話をするためだけでも、大いにご利用ください。