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橋本真里子さん|常に自然体でいるために。心も体もリフレッシュする私の毎朝の日課

今回お話を伺ったのは、クラウド型受付サービスを展開するディライティッド株式会社の代表・橋本真里子さん。

忙しい毎日、どのようにパフォーマンスを維持しているのでしょうか。その素顔と日常に迫ります。


チャレンジせざるをえない状況だった

起業した動機をお聞かせください。

直接の動機は年齢ですね。企業の顔である受付嬢には〝賞味期限〟がありますから。次のステージにチャレンジせざるを得ない状況だったのです。

私も近い将来、引退を迫られる日が来る。でも、定職に就きたいと思ったところで、受付の経験しかないと難しいでしょう。それなら、11年の間に積み上げたスキルや経験を活かしたい。いつか手放さなければならないキャリアなら、自分のやりたいことに向けて動き出そうと。やりたいことや進みたい方向が見つかったんだったら、そちらに進みたい。それで会社を設立することにしたのです。

起業に向けて、どんな準備をしましたか?

起業する2年ほど前から、起業を視野に入れた生活・行動を心がけました。貯金も少しずつしましたが、何千万も貯められるわけではありませんので、効率よく資金調達することを念頭に置いて。ルートやタイミングなど、周りにいた先輩方に教えてもらいながら準備しました。

近年、女性の起業家も増えていますが、どのように感じていらっしゃいますか?

女性起業家はまだまだ少ないと思います。起業家の集まりに参加すると、やはり男性のほうが目立ちますから。でも、仕事を続けていくことは女性の強い武器になると思うのです。「女性だから」と後ろ指を指されないよう、きちんと結果を出して働く女性のロールモデルになれる存在を目指したいと思っています。

風通しのいい職場を目指し、下の名前で呼び合う

起業する前後で心境の変化はありましたか?

やはり一番は仕事のやりがいですね。『RECEPTIONIST』を導入していただいた企業の方から「対人の受付業務が減って助かっています」と喜んでいただけることに、大きなやりがいや達成感を感じます。

もちろん、従業員の生活を守らなければならないという面で、派遣時代にはなかった責任の重さも感じています。自分が実現したい世界観やビジョンに共感してくれる従業員やクライアントの方々の存在は本当に支えになります。

従業員の方々は橋本さんにとってどのような存在ですか?

経営者は孤独、とよくいわれますが、私はそうは思いません。経営者と従業員の距離というものは、そもそも存在しないと思っています。隔たりを作ってしまうと、率直な意見を出しづらい、風通しの悪い職場になってしまいます。従業員との間に見えない壁のようなものができてしまうのも寂しいですし。

ですから、従業員には「まりさん」、COOからは「まりたん」と姓ではなく下の名前で呼んでもらうようにしています。「社長」と呼ばれてしまうと関節がむず痒くなってしまうんです(笑)。経営者だからといってかしこまりすぎず、呼びやすいように呼んでもらえたらいいかな、と。

下の名前で呼び合うと心の距離が縮まる一方で、フランクになりすぎてメリハリがなくなるということも起こりませんか?

そうならないためにも、最低限の挨拶や感謝、謝罪といった人として最低限のマナーは大切にしています。それは、社長であろうが同僚であろうが恋人であろうが、どんな関係でも同じです。

また、プライベートな感情を職場には決して持ち込まないことも、相手を尊重する意味でもとても重要なことだと思います。

人生、いいことばかりではありませんから、落ち込むことやイライラすること、感情をぶつけたくなることもあります。でも、だからといって周りの人に関係のない感情を職場に持ち込んで態度に表していたら、誰もハッピーになれません。ですから、たとえどんなことがあろうともネガティブな感情だけは絶対に引きずらないようにしています。

毎日、気持ちをリセットする時間をもつこと

日常の中で意識的に取り入れているルーティンはありますか?

毎朝のランニングが、気持ちをリセットする大切な時間になっています。今はスマホがあれば仕事ができるので、寝ようと思ってベッドに入っても、連絡が入れば見てしまいます。

従業員や外部とのやり取りもありますので、プライベートな時間でもスマホやパソコンをまったく見ないわけにはいきませんが、そうなると、日々の生活の中で気持ちをどこで、どうやって切り替えるのかがとても重要になるんです。

だからこそ、リフレッシュできる朝のマラソン時間をとても大切にしています。人通りの少ない朝7時半頃から、イヤホンで音楽を聴きながら、20分間無心で、ただひたすら走る。流れる景色を見ながら走っていると、自然に頭の中が整理されていくんです。

ジムではなく外を走る理由を教えてください。

ジムだと、目的が「ジムに行くこと」になってしまう気がするのです。大切なのは、自分にとって心地いいものであるかどうか。そうでないと、続けるのが難しくなってしまいますから。

それに、体を動かすと「今日はちょっと体が重いな」など、自分の健康状態を知るバロメーターにもなるのです。仕事の合い間にお菓子をつまむことが多いのですが、汗をかくことでデトックスになりますし、何よりも体が軽くなるんです。モチベーションも上がるし、仕事のパフォーマンスや生産性の向上にもつながるので、本当におすすめです。

そのほかに健康や美容のために実践していることを教えてください。

気にしすぎると心が疲れてしまうので、できるだけ自然体で、心を解放することを大切にしています。自分の心と体が常に快適でいられるよう、夜はできるだけ早く寝る、好きなものは好きなだけ食べて不要なストレスをかけない、適度に体を動かして頭の中を整理する時間を作る。私には、これで十分だと思っています。この3つが仕事のパフォーマンスを上げる大切な軸になっているのです。